昨年度、おかチョクは岡山高等学校2年生の活動を取材しました。岡高生はシャコのリゾット缶詰に取り組み、瀬戸内海の環境課題について情報発信を行ってきました。
そして今年。先輩の活動を引き継いだ新2年生が、海の課題をより多くの人に伝えるため、新しい缶詰作りに挑戦しています。
「LOCAL FISH CAN グランプリ2023」にも出場し、決勝大会進出が決まりました‼
LOCAL FISH CAN グランプリ とは? 全国の高校生が海の課題をもつ地域の海の生物を題材にした、オリジナル缶詰を開発するアイデアコンテスト。2023年は岡山高等学校を含む9校が、10月に行われる決勝大会に臨みます。
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どのような缶詰を作っているでしょうか?
その活動を様子を、岡高生が作成したスライドの一部とともにご紹介します。
作るのは「アイゴのアヒージョ缶詰」です!
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■新しく瀬戸内海で獲れるようになった「アイゴ」
「環境変化により水産資源が大幅に減っていること」、「生態系のバランスが崩れ、瀬戸内海に生息する魚の種類に大きな変化が起きていること」、「獲れる魚が変化しても、新たに地元で獲れるようになった魚を食べるようになるわけではなく、廃棄される魚が増えていること」などの現状を学び、新しく瀬戸内海で獲れるようになった魚のひとつ「アイゴ」に注目。
アイゴは沖縄のあたりでよく獲れていた魚で、海水温の上昇とともに瀬戸内海にやってくるようになりました。釣り人からは「バリ」とも呼ばれているそうです。
アイゴの主な食べ物は、海藻です。近年、アイゴが瀬戸内海の環境改善のために再生活動が行われているアマモの葉を食べてしまうことが問題となっています。
■アイゴを美味しく食べる
現在は網にかかっても廃棄されることが多いアイゴですが、実は脂がのった甘味のある美味しい魚なのです。
しかし、水揚げしてから早くさばかないと生臭さが出てくるという難点もあります。美味しく食べられるようアイデアを集めて、「アイゴのアヒージョ」の試作品を作っていきます。
新鮮なアイゴを使い、具材もすべて岡山県の日生・牛窓産にこだわっています。マッシュルームは、廃棄される部分を使いロス削減にも貢献しています。
試作第一弾は、白身魚でありながら濃厚な味わいの美味しいアヒージョになりました。
■アイゴのアヒージョと「岡山の海苔」
さらに美味しく、そしてメッセージ性を込めるために使用するのが「海苔」です。
岡山県は養殖海苔の生産量が多い地域です。アイゴは数が増え過ぎたことで、アマモだけでなく、養殖されている海苔も食べるようになりました。この食害が原因で、養殖海苔の生産量は減少してます。
また、海苔の生産量減少は、食害だけでなく「きれいすぎる海」となった瀬戸内海の水質も影響しています。海苔に栄養が入らず色が黒くならない「色落ち」も深刻な問題となっています。きれいすぎる海の問題を解決するために計画も考えられていますが、十分に認知されておらず課題も多い現状です。
このような海苔の問題も知ってもらいたいと、アイゴのアヒージョに海苔を合わせることで、缶詰レシピをさらに進化させています。
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アイゴのアヒージョ缶詰、岡山高等学校生の海への想いがたっぷりこもっていますね👀
アイゴという魚自体も、瀬戸内海で獲れる魚が変わってきている状況も、私は今回の取り組みの話を聞いて初めて知りました。「そうなんだ!」驚くことばかりでした!
どのようなレシピが出来上がるのか…完成が楽しみです✨
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