穀粉製造業を営んで創業70余年
半鐘屋は明治25年に豆腐屋として創業、戦争を機に50余年続いた豆腐製造業をやめて、穀粉製造業に業種を変更しました。創業以来、暖簾を守り続け130年を迎えます。
創業当初、商売繁盛を祈念し「繁盛屋」という社名を考えていましたが、繁盛すれば傲慢になりがちであり、また、到達すると下がるという事も自明の理であると考え、到達一歩手前を常に努力精進する事を旨とし、謙虚に堅実に商いを行ない、傲慢にならないように警鐘を鳴らすという意味で「半鐘屋」と名付けられました。
穀粉製造業は、昔、先々代が駅ごとに設置してあった精米所ででる粉粕をもらって帰り、製粉機で再度挽いたものをお菓子屋さんに販売したことがはじまりでした。当時は製粉機1台で、自家栽培した唐辛子も乾燥させ、粉末にして販売したりしていました。
穀粉製造業を営んで創業70余年となる現在、半鐘屋の4代目として、創業者、先々代、先代の意思を受け継ぎ、「安心と信頼」「誠実な商品」をお届けできるよう、受け継いだ技術、そして新たな技術やニーズにもお応えできるよう、日々努力し、次の世代へ受け継いでまいります。
製品への取り組み
米粉製品
近年、休耕田の増加が問題となり、日本の農業は危機に立たされています。半鐘屋では微力ながらも「地域流通加工用米」制度や「新規需要米」制度を活用し、少しでも休耕田を減らすべく、転作作物として地元農家の方々に作付けをお願いする取り組みを行なっています。
<和菓子向け>
従来の和菓子向けの米粉です。昔ながらの製法で、生産時に熱による製品の劣化を和らげる「胴搗(どうつき)製粉」を採用しており、ご要望により60メッシュ〜120メッシュまで対応しています。
また、大量生産用として「ロール製粉」方式もあります。
原料は、地元・岡山県津山市産をはじめ、国内産の米を使用しています。
<洋菓子向け>
菓子・製パン・料理向けの米粉です。最新式の気流粉砕機によって製粉され、200メッシュに対応しています。また、近年では気流粉砕の粉と胴搗製粉された120〜150メッシュの粉をブレンドして使用される方が多くなっていますが、半鐘屋はそのようなブレンドにも対応しています。
半鐘屋では微力ながらも「地域流通加工用米」制度や「新規需要米」制度を活用し、少しでも休耕田を減らすべく、転作作物として地元農家の方々に作付けをお願いする取り組みを行い、地元農家さんと直接契約作付けで収穫された安心のお米を使用しています。
<機能性米粉>
新たな分野として開発を進めている米粉です。2009年度、おかやま食料産業クラスター協議会ご支援のもと、産官学連携によって生まれたのが「巨大胚芽米はいいぶきパウダー」です。
はいいぶきは、胚芽部分が通常の米よりかなり大きいため、発芽させなくても発芽玄米並みのGABAが含まれているお米です。玄米のまま気流粉砕機で微粉にし、和洋菓子への製品化ができるようになりました。また、機能性の部分も岡山大学への委託研究の結果、好ましい数値が確認されました。
現在は「はいごころ玄米パウダー」を販売しており、今後、新たな分野の米粉として更なる開発を進めてまいります。
はとむぎ製品
弊社独自の発芽活性製法で活性化されたはとむぎをベースに、いろいろな商品を開発しています。原料は主に原産であるタイの野生種にこだわって使用しています。
また近年、休耕田の活用の一環として国内産はとむぎの故郷である岡山県北部の津山市近郊の農家と栽培契約を結び、作付けを行なっています。
【開発者】
岡田 幸子(半鐘屋 専務取締役・農学博士)
はとむぎの摂取により、わずか2ヶ月でひどい肌荒れ、金属アレルギー、指先にあったタコの異常増殖が治癒したことから、はとむぎの研究を始めました。1996年に特許を取得したことをきっかけに、さらに奥深く追求したいという気持ちが強まり、岡山大学大学院自然学科研究科博士課程に入学し、6年後、2010年3月「ハトムギ(Coix lacyma-jobivar.ma-yuen)を用いた紅麹、及び、テンペの発酵条件と、発酵により得られる有用成分に関する研究」の論文が認められ、同大学院にて農学博士の学位を取得しました。
岡田幸子開発商品
■はとむぎ紅麹
世界初の紅麹菌によってはとむぎを発酵させた商品
■活性はとむぎの力 スーパーゴールドとゴールド
独自の方法で発芽活性させたはとむぎをベースに、スーパーゴールドは13種、ゴールドは10種の食品を混合した食品
■強力活性はとむぎテンペ
通常大豆で作られる「テンペ」をはとむぎで作った食品
きな粉・大豆製品
地物の黒豆・青大豆・大豆を中心に、お客様のご要望により国内産の各種大豆を使用し、こだわりのきな粉、昔ながらの押し大豆、黒豆茶、生大豆粉など、さまざまな大豆製品を製造しています。
大豆の食べ方、新時代
岡山県産の黒・赤・黄・茶・青の5種類の大豆を使い、新しい食べ方を提案する「SOY MY LIFE」シリーズ。都会の30〜40代の女性の忙しい朝の中でも大豆の栄養が採れるようにイメージして作られた商品です。
【押大豆シリアル】【押大豆グラノーラ】
牛乳やヨーグルトをシリアルやグラノーラと共にお召し上がりいただくと、より一層美味しく召し上がれます。生きな粉、超きな粉は新しい製法で生まれた新感覚のきな粉です。
長年培われた技術
個人向けから業務用まで、さまざまなシーンで使われている半鐘屋のきな粉。全国大博覧会では、技術優秀賞も受賞(黒豆きな粉)。輸入大豆や脱脂大豆を使った製品が増える中、岡山県産を中心とした国産大豆のみにこだわって使用しています。
半鐘屋の設備
製造メーカーならではの、様々なニーズへの対応が可能です。
半鐘屋では、常にお客様にご満足いただけるよう、経験豊富な技術者がさまざまなニーズに細やかに対応しています。
当社製品のOEM、PB商品への対応をはじめ、クラフト大袋からアルミ・プラ袋の小分け、5g前後も小袋製品の小分けにも対応しています。また、原料の受託加工なども小ロットからでも対応しております。
▼主要機械設備
精米機:4台 粉砕機:5台 乾燥機:2台 蒸し機:1台 焙煎機:2台 煎機(豆):3台 ロール製粉機(米・豆用):2台 胴搗製粉機:1台 |
ミキサー(ブレンダー):3台 アトマイザー粉砕機:2台 色彩選別機:4台 皮むき機:1台 袋詰め機:4台 自動はかり:3台 金属探知機:1台 石抜き機:4台 |
ティーパックマシン:3台
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▼胴搗製粉機
<<半鐘屋は日本の食と農業の未来を考え、地元岡山の農業者ともいろいろな取り組みをしています。また、ひろく知っていただくために展示会や百貨店等の物産展にも積極的に参加しています。>>