幼少の頃から絵を描いたり、ものを作ることが好きだっこともあり、将来は美術の道に進みたいと漠然と考えていた私が、ガラス職人になるきっかけを与えてくださったのは、高校時代の恩師でした。恩師の勧めもあり、当時ガラス工芸に関して最新の設備が整っていた、倉敷芸術科学大学でガラスについて学び、卒業後、山梨や横浜で修業を重ねた後、自分の工房「Glass studio MIGAKI」を開設しました。
今でも吹きガラスを続けているのは、作品の土台となるレースガラスに出会い魅了されたことにあります。
レースガラスの制作は、ベネチアで発祥した技術、フィリグラーナという技法を使っています。この技術を学生のころから独学で勉強し、修行中も色々な人に技術を教わり、イタリアからマエストロが来日した際には、直接指導していただき技を磨いてきました。安定した納得のいくものができるまでには10年程かかったと思います。
そのレースガラスやガラス棒を溶かして作る、色と柄の細やかな表情が特徴で、吹きガラスの最高峰、ベネチアングラスの技法、ガラス加工研磨技術で作品を制作しています。
吹きガラスをもっと知ってもらうために…
ガラスに対する思いは作ることだけではなく、窯のことなど色々とありますが、ガラス制作の原点である、溶けたガラスを初めて見た時の衝撃は忘れられません。ガラスの波紋、熱量、溶けたガラスが固まっていくときの色合いの変化など、その秒の世界の美しさに圧巻、感動したことを今でもよく覚えています。制作を続けていると忘れがちですが、ふとした瞬間にやはりガラスは美しいなと思い、この感動が蘇ります。
この感動を皆様にもお伝えしたく、吹きガラス体験や吹きガラス教室も行っています。
ベネチアン×日本文化
ベネチアングラスの技法を日本の伝統文化に落とし込み、それぞれの文化を自分なりに融合させた作品作りも行っています。
素敵な空間や時間を演出するガラスアイテムを生み出したいという信念のもと、ひとつひとつ手作りで作品を制作しています。
<プロフィール> 三垣 祥太郎
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1980 | 岡山県生まれ |
2003 | 倉敷芸術科学大学ガラスコース卒業 |
2003-2006 | 株式会社ジーアンドシーアート ガラス工房 |
2005 |
新島国際ガラスフェスティバル Davide Salvatoreに師事 スカラーシップ受賞 |
2006 |
Pilchuck glass school (米国) Scott Darlingtonに師事 株式会社ジーアンドシーアート プロダクション工房主任 |
2008-2010 | 倉敷芸術科学大学ガラスコース技術指導補佐 |
2008 | 日本クラフト展入選 |
2009 | KOGANEZAKI・器のかたち・現代ガラス展入選 |
2014 | Glass studio MIGAKI設立 |
2017 |
工芸都市高岡クラフトコンペ入選 岩国ビエンナーレ 錦の宴 優秀賞 |
その他、公募展入選多数 |