就農のきっかけ
いちご生産責任者:米山 直利
就農前は、地元兵庫県で農業とは関係のない営業職として勤務していました。もともと植物好きで農業に関心があったこと、当時結婚もして子供も授かり、今後のライフスタイルをどう決めていくかを考えていた時期でもあったことから、就農に向けて活動していました。
就農のきっかけは大阪で開催された農業フェアに参加、そこで当農園の社長に出会ったことにあります。社長の農業への熱意と経営体制がしっかりしているところに共感、また自然に囲まれた美作市であれば家族と安心して生活できると思い、当農園での就農を決意しました。
現在では、いちご生産担当の責任者として日々奮闘しています。
美作農園について
岡山県は南北の境に位置する美作市で、いちごとぶどうを生産しています。冬から春はいちご、秋はぶどう狩りが楽しめ、直売所ではとれたて新鮮ないちごやぶどうを販売しています。ギフト用、ご家庭用、加工用と様々な商品を多数そろえています。また、自社工房も併設しており岡山プリンなどいろいろな加工品も製造、販売しています。
岡山県下最大級のいちご栽培面積
当農園では、「あきひめ」「さちのか」「紅ほっぺ」「おいCベリー」「よつぼし」の5品種を生産しており、栽培面積は県下最大級の130アールを誇ります。
<あきひめ>
酸味がほとんどなく、ジューシーですっきりとした甘みが特徴のいちご。果肉はやわらかく、食べやすいので小さなお子様にもおすすめです。
<さちのか>
糖度と酸味が高く、濃い味好きな方におすすめの品種です。ビタミンC含量も多く、酸味と甘みが調和しているため、しっかりとした味わいです。
<紅ほっぺ>
「あきひめ」の甘さと「さちのか」の酸味が絶妙なバランスで合わさった品種です。果実はジューシーでコクがあり、香りも非常に良いのが特徴です。
<おいCベリー>
市販品種の中でビタミンC含量が最も高く、平均的な大きさの果実約7粒で1日分のビタミンCが摂取できます。濃赤色で光沢があり、糖度も高く、食味も良好で濃厚な味わいが特徴です。
<よつぼし>
「甘味」「酸味」「風味」が揃って四つ星級に「美味」しい。また、4機関が共同で開発した期待の品種という意味も込めて「よつぼし」と名付けられました。高濃度で風味がある濃厚な食味です。
いちご作り20年のこだわり
栽培地の環境
当農園のある岡山県美作市は、日中は日差しが暖かく朝夕はピリッと冷える、いちご作りには最適の場所です。
いちごは、培地はしっかり温め、実は冷やしてあげることが重要です。そうすることで実に栄養がいく時間が長くとれ、実の引き締まったいちごが生産できます。
いちごを育てて20年の当農園は、毎年変化する自然環境に合わせていちごの育ちやすい環境に気を配り、丁寧に愛情を込めて生産しています。
大型ハウス ・高設栽培(バッグ栽培)
広々とした解放感のある大型ハウスで栽培しているので、急な温度変化を防ぐことができ、いちごにとっても過ごしやすい環境を整えています。
栽培方式は、高設栽培を行っています。高設栽培は、約1メートル程の高い位置でいちご栽培する設備のことで、この方式によりいちごが土に付かず実ることができ、とても衛生的です。
また、いちご一株ごとを袋で覆い、土をつめて栽培するバッグ栽培を行っていることで、根っこの分布域が制限できることで、土壌の水分や肥培の管理をきめ細かく行うことができ、低農薬で高品質、味のばらつきが少ない、糖度の高いいちごが安定生産できます。
土づくりへのこだわり
もともと当農園は花の栽培から始まった会社であったことから、土づくりには研究を重ねてきました。それをいちご栽培にも応用し、信頼のおける業者から仕入れた原材料を独自配合したものを使用しています。
微生物や天敵昆虫を使用して栽培
いちごが健全に育ちやすい環境づくりに気を配り、微生物や天敵昆虫を利用することで、化学農薬を最小限に抑えた栽培で、安心して食べていただけるように栽培しています。
生育環境のコントロール
いちごのハウス内をいちごにとって最適な生育環境となるよう、環境モニタリングにより気温、湿度、二酸化炭素濃度、日射量を徹底管理しています。
データを数値化できることで、日々の改善を繰り返すなど更なる品質向上を目指しています。
また、このデータによって作物の病気の防止にも繋がり、農薬の使用を極力減らした栽培に直結するとも考えています。
完熟で新鮮ないちごをお届け
収穫のタイミングをギリギリまで待って、農場でとれた十分に熟しているものだけを朝採りすることで、果実本来の強い甘みのいちごをお届けしています。
より効率的に生産するためのシステムを導入
今年増設した新ハウスでは、いちごの培地を効率的に温めるため温湯管を設置したり、いちご農家を悩ますうどん粉病の対策として、一部のハウスでは紫外線B波(UV–B)の照射を行っています。これは植物にUV–B照明を照射することで、植物の免疫機能を活性化させ、うどん粉病の発生を抑制するシステムです。このシステム導入によって減農薬にも繋がっています。
45年の経験を誇る美作農園のおいしいぶどう
農園のある旧英田町(現美作市)は昔からぶどうの名産地として親しまれ、当農園も45年のぶどう栽培の歴史を持ちます。現在も農園社長の父母が栽培技術を継承しながら、変わらぬ味を守り続けています。
自社工房で手作りの商品をお届け
農園のいちごやぶどうを使用して、農園スタッフが自社工房で岡山プリンをはじめ、大福やクリーム、ジャムなどいろいろな商品を手作りしています。
一番人気の岡山プリンは素材にこだわり、美作市にある「どんぐり農園の希少卵もみじ」や蒜山高原ジャージー牛のミルク、岡山県産の白桃を使用しています。
いちご苗オーナー制度
美作農園では、苗を植え、収穫し、お届けするまでの長期間において、皆様と一緒にいちごを育てる「いちご苗オーナー制度」を行っています。
これからも、お客様にとってのふるさとの親戚のようなお付き合いができる関係づくりを目指していきたいと考えています。