■就農のきっかけ
下山さんちのお茶は岡山県の北東部に位置する美作市で三代続くお茶農家です。
私が代々続くお茶農家を継ぐ決心をしたのは20歳のときでした。高校卒業後は地元を離れ、お茶とはまったく関係のないアパレル企業で勤務していました。数年後には管理職となり、そのころから自分にしかできない仕事、替えが効かない仕事はなんだろうと考えるようになりました。自分の存在価値を考えた時、「家業であるお茶農家を継ぐこと」がやりたいことだと感じ、決意しました。
1年間、本場静岡のお茶農家に住み込みで修業、栽培技術や加工技術を学びました。岡山に戻ってからも質の高いお茶を生み出すために、十数年にわたり毎年のように春になれば静岡のお茶農家へ通い、摘み取り作業を手伝いながら製茶技術を学びました。
■「下山さんちのお茶」ネーミングについて
岡山県において農業の振興に貢献した青年農業者を対象に贈呈される「矢野賞」を同時受賞した赤磐市の米農家さんとの出会いがきっけかでした。米農家さんのアドバイスもあり、生産者らしい、商品だけではなく作り手にも意識してもらえるようにと考えたことから「下山さんちのお茶」が生まれました。
■下山さんちのお茶について
“素朴で優しいお茶”をコンセプトに、茶葉が本来持つ良さを引き出すお茶づくりを心がけていいます。茶畑は約4haあり、生葉の栽培方法や品種、加工方法で10種類の茶葉を取り扱っています。
また、環境に優しい土づくりのために肥料や農薬は極力控え、茶の木を元気に保つための更新剪定など、必要以上に人間の手を加えないことも大切に考え、丁寧に育てています。
<茶園>
江戸時代よりお茶づくりが行われている岡山県有数の歴史ある茶産地「美作市海田」。
代々、大切に受け継がれてきた茶園の茶葉は全て自家栽培です。
<製茶場>
圃場、品種ごとに管理し、製茶しています。茶葉の特徴に合わせた独自の蒸し、揉み、火入れなど、長年の経験で培われた製茶技術で自家製造しています。
<茶葉>
かぶせ茶、普通煎茶、深蒸し煎茶、各品種茶、ほうじ番茶、ティーバッグなどの昔ながらの素朴でやさしい岡山県産の日本茶です。
■美作市海田のお茶をたくさんの人に
お茶の可能性を広げるため、国産デニム発祥の地である倉敷市児島のデニムメーカーとタイアップして、お茶染めデニム商品を開発しました。
また、地元小学生を対象として茶摘み体験なども行っています。
これからも美作市海田のお茶をたくさんの人に知ってもらえるよう取り組んでいきたいと考えています。