就農のきっかけ
就農前は、地元岡山でメーカー系自動車ディーラーに勤務していました。営業畑を歩み、店長から新車責任者を経て役員に就任していた任期中に愛娘が書いた作文が就農への歩みを始めるきっかけとなりました。
当時は、私も妻も共働きであったため、稲作を営む義父の家に娘を預けることがよくあり、そこで娘は手伝いをしていました。作文の内容は、そんな義父が高齢で稲作を断念すること知り、残念がるものでした。作文を見て私ははじめて、義父の田んぼがある倉敷市下庄エリアは、農地の多くが高齢化による耕作放棄地増大エリアであることを知りました。
従来型の稲作継承では未来がないことを理解した上で、農業の可能性を模索しました。多くの候補とした取り組みの中で、養液栽培によるブルーベリー観光農園に着目、本当においしいブルーベリーを育てたい想いが強くなり、会社役員を退任し、セカンドキャリアを起農家としてリスタートしました。
2019年に青年等就農計画認定を取得、2020年夏「ブルーベリーガーデン岡山」を開園しました。
栽培品種
ブルーベリーは300〜400種類ほどあると言われ、毎年新品種が生まれています。主要な系統は4つで、ノーザンハイブッシュ系、サザンハイブッシュ系、ラビットアイ系、ハイブリッド系となります。
ブルーベリーガーデン岡山では、岡山の恵まれた環境、日照時間も長いことから全系統の栽培が可能となっています。現在では、39品種、1,000本のブルーベリーを丹精込めて育てています。
<ノーザンハイブッシュ系>
北米で開発された主に寒冷地向けの品種で、香りと風味、酸味と甘味が調和した優れた果実品種を誇る系統。
ブルーマジシャン、ブルーレカ、シエラ、エリザベス、デニスブルー、プル、ブルークロップ、ブリキッタ、チャンドラー、ネルソン、デキシー、トロ、ダロー、デューク
<サザンハイブッシュ系>
南半球で多く開発されていて、暖地向けの品種。食味は、ノーザンハイブッシュ系より酸味が少なくて食べやすく、どんな方にもおすすめ。
ジュエル、ガルフコースト、シャープブルー、オニール、クーパー、ミスティ、サンシャインブルー、マグノリア
<ラビットアイ系>
暖地向けの品種で、食味はハイブッシュ系に比べ甘味が強いのが特徴。
プレミア、ティフブルー、ベッキーブルー、パウダーブルー、メンデイト、パルドウイン、ブライトウエル、ブルージェム、オースティン、オノ、ウイトゥ、ラヒ、コロンブス、フロリダローズ、グロリア
<ハイブリッド系>
ハイブッシュ系とラビットアイ系を掛け合わせた特殊な品種。
ピンクレモネード、レガシー
栽培のこだわり
日本の土壌は粘土質であり、湿気も多いことから美味しいブルーベリーを育てる環境に適していません。そのため、ブルーベリー原産地である北米に近い環境を整えてやることが美味しいブルーベリーを育てるために重要となってきます。
当園では、アクアフォーム(人工培地)を使用したポット栽培で、ブルーベリーにとって最も重要な排水性、水捌けの良さという環境を整えています。さらに養液栽培により、ブルーベリーに最適な肥料成分を液肥コントローラーで最適な濃度、給液のタイミングと時間を制御し、ポットに植えたブルーベリーに供給しています。液肥に関しては、独自配合したものを使用していますが、基本的に農薬は使用していません。
この栽培方法で、常に最適な土壌環境を維持することができ、大粒で甘いブルーベリーが多収穫できています。
6次産業化
100%ブルーベリーガーデン岡山で摘み取った実をふんだんに使用して、ジャムやブルーベリービネガーを製造しています。
ブルーベリージャム(コンフィチュール仕立て)
市販日の凝固した形状のジャムと比べると、果肉を残した製法でサラッとしているのが特徴です。
ブルーベリービネガー
園内で収穫した完熟冷凍果をたっぷりと使用し、リンゴ酢、氷砂糖のみで作られています。ブルーベリーの鮮やかな色と香りが際立つ逸品です。
地域に根差した観光農園に
当園では、耕作放棄地の有効利用や周辺施設にブルーベリーポットを設置した「出張ブルーベリー狩り」など、地域に根差した取り組みも進めていければと考えています。
2022年 ブルーベリー狩り情報
6月5日オープン
(園内、カフェ併設)