就農のきっかけ
大学から上京し、卒業後も現地で就職していましたが、勤務先の合併を機に退職、好きだった地元岡山へ帰ったことが就農へのはじまりでした。
以前から母が家庭菜園や農業体験の話を聞いていたことから農業に興味を抱き、平成14年に岡山県立農業大学へ入学。非農家出身のため初めて知る農業が面白く、将来性を感じたことから就農活動を開始し、平成16年卒業と同時に就農しました。
ゴールドダックカンパニー
岡山県備前市、自然豊かな環境の中にゴールドダックカンパニーはあります。
アヒル農法を主に栽培する日本米や、他ではあまり作られていないイタリア米など様々な「美味しい」を好奇心の赴くままに本気で真っ直ぐ取り組んでいます。
真っ直ぐな農家でありたい
子供の頃見てきた農業風景は皆真っ直ぐで真っ当な仕事をしていました。そこには、苦労や汗の数だけ食に対する安心があり笑顔があり美味しさがあり、毎日が『生きるための作物づくり』を営んでいる確かな実感があったように思います。そんな昔から脈打つ農業の姿を今も大切受け継ぎ、更に新しい解釈を添えて私が子供の頃見てきた農業風景を私たちの子供たちに伝える事が、私の目指す農業『心が真ん中にある食べ物作り』だと考えています。
アヒル農法で栽培した「アヒルのお米」
アヒル農法とは、アヒルのヒナを田んぼに離して稲を育てる農法です。
田植えから1週間後にヒナを放し、雑草や雑草の種子・虫などを食べ、田んぼの中を泳ぎまわることで除草、稲の根張りを良くし、また排せつ物は微生物が分解し天然の肥料となり元気な稲が育ちます。農薬や化学肥料に過度に頼らなくても、安心なお米が作れるのが「アヒル農法」です。
このアヒル農法で「アヒルのお米 朝日」を栽培しています。
〇品種:朝日
コシヒカリのルーツであり味が良くファンが多い。しかし草丈が高いことから倒伏しやすく、粒が落ちやすいため作り手が減少していることから「幻の米」とも言われています。大粒で、適度な粘りと歯ごたえが持ち味。また、ふくよかな甘さのある上品味わいだと言われ、米飯の他、おむすびや寿司、カレーやチャーハンに適しています。中心部分に心白が少ない品種であるが、酒米としても使用されています。
イタリアのお米
ゴールドダックカンパニーでは珍しいものを栽培したいとの想いから、新鮮なお米がなかなか手に入らないイタリア米を日本クオリティーで育てています。
品種は、新品種の「和みリゾット」をベースに、「カルナローリ」と「ヴィアローネナノ」も育てています。カルナローリはリゾットやパエリア、ドルチェなど万能な定番米、ヴィアローネナノはサラダやミネストローネなどに、和みリゾットは、名前の通りリゾットなどに活躍します。
☆カルナローリ☆
イタリア米の代表的品種。 長粒種であるがアジアの長粒種より胴が太く、高い澱粉含量およびよりしっかりした質感が特徴。 日本では米は「炊く」というイメージですが、イタリアではパスタのように「茹でる」感覚でお米を使用します。そのため、アミロース含量が高いカルナローリは、リゾットを作るために必要なゆっくりとした調理の間でも、日本のお米よりもアルデンテ状態を長く保つことができます。そのため、自宅でリゾットに挑戦しても、お店で食べるようなアルデンテな仕上がりが可能です。また、お米は古くなるほど硬化するため、イタリアでは新米が重宝される日本ほど生産年度にこだわりはなく、硬化した古米や古古米のほうが好まれます。
☆ヴィアローネナーノ☆
イタリア米の代表的品種。 少し丸みを帯びた形をし、アミラーゼの含有率が高いため、煮くずれしにくい特徴をもち、その品質の高さからイタリアでは唯一I.G.P(地域保護表示) をつけることが出来るお米です。 デンプンが豊富で、高いアミロース含有量は、その形状を維持し、調理中にスープをたくさん吸収しますが、アルデンテを保ちます。味に深み、甘みがあり、ボタッとしたしっかり目(クリーミー)なリゾットを作りたい時に使用してください。 その他、サラダ、ライスコロッケ、ミネストローネ、特にパエリアにも最適です。
〇和みリゾット〇
国内産リゾット専用米で、「大粒でべたつかず、歯応えのあるアルデンテに仕上げることができます。」リゾットの本場イタリアでつくられているカルナローリ米は、リゾットに最適の品種とされていますが、この和みリゾットは、そのカルナローリ米にも負けず劣らずの高い評価を得ています。 リゾットはもちろん、普通に炊飯器で炊いたお米は、カレーによく合います。 ガパオライスや炊飯器でピラフ、ライスケーキも美味しくできます。 それぞれのお米は、煮てもドロドロの糊状にはならないので、カレー鍋やトマト鍋の〆にオススメです。
食べることは、生きること
ゴールドダックカンパニーでは、飽食の時代、食べれることのありがたさ、他の命をいただいて生きていることのありがたさを、農業の魅力と共に農業が農村社会(コミュニティ)を支えていることを伝えていけたらと思います。そして、農業ができる環境を次世代へと残していきたいと思います。