就農のきっかけ
高校生くらいの時から漠然と「起業したい」という想いがあり、大学生になり、どんな事業で起業したいか常に自問自答する中、いきついたのが「農業」でした。
当時から日本の農業の高齢化や衰退は危惧されており、後継者不足や若者の新規参入が課題とされていました。
大学生の自分が農業で企業するというロールモデルを作ることができれば、全国で農業に参入する若者が増えることに繋がるはずだ、そんなビジョンを描き、起業を決意しました。
「どうせなら全国でまだ誰もやっていない、地域の役に立つことで起業したい」その想いと重なるのが農業でした。
株式会社いぶきを設立
岡山県は中四国における農業生産額が1位であることから、岡山が元気になれる会社をつくろうと想った時に、農業が元気になれば岡山が元気になるのではと想い、2013年、岡山大学在学中の21歳の時に全国初の学生農業生産法人として「株式会社いぶき」を設立しました。
会社を設立して最初の2年は従業員は私1人で、自治体や起業からの作業委託を受け、自ら出かけていって仕事をするスタイルでした。
設立3年目となる2015年に以前より付き合いのあった農家から農地を全て引き継ぎ、現在は岡山県瀬戸内市の3.5ヘクタールで年間40種類以上の野菜を栽培しています。
安心安全で美味しい野菜を
いぶきでは、岡山県瀬戸内市の山あいに田畑が広がるのどかな土地で、農薬・化学肥料を最小限に抑えた「安心安全で美味しい野菜」を定番のものからビーツやロメインレタス、わさび菜などのちょっと珍しいものまで年間40種類以上を生産しています。
堆肥には瀬戸内市牛窓町にあるマッシュルーム生産量が日本一の「ミツクラ農林さん」の廃菌床を使用しています。廃菌床を農業資材として再利用することで、環境に優しく、農薬に頼らず安心安全な作物が生産できるだけでなく、きのこ産業の活性化にも繋がります。
”安心安全な野菜を多品目でお届けする当たり前の感動野菜を目指しています。”
ノンアレルゲン野菜スイーツ
「安心で健康的な食をもっと美味しく、沢山の方へ」という想いから、野菜スイーツとして、アレルギーの原因物質となる牛乳、小麦、卵を含まない洋菓子「マカロン」を開発しました。
マカロンは、自社栽培したパプリカ、玉ねぎ、にんじん、ビーツ、春菊を使った5種類。卵白の代わりに大豆の煮汁で作った生地を使用、そこにそれぞれの野菜を低温乾燥させたパウダーを練り込んで、色とりどりに仕上げています。
”アレルギーに悩む人や野菜嫌いの子供たちにおすすめです”
※2021年、岡山県商工会連合会が独自に設けた特産品ブランド「晴れの恵み岡山ブランド」のベストセレクション賞を受賞
畑を地域コミュニティの拠点に
いぶきの畑では、子供たちの農業体験や大人が農業を通して健康を目指す「畑活」、採れたて野菜を使ったバーベキューなどを積極的に受け入れています。
自然溢れる畑には学びが沢山あります。子どもの頃から農業に触れてもらう機会が食を大切にする心を養い、地域の交流の創出が心身の健康にも繋がるはず。
野菜を生産するだけではない、農業の可能性に挑戦しています。