解体・産業廃棄物再資源化を手掛けるコンケングループでは、循環型社会を学ぶ農業体験・食育の場づくりを目指して、2018年10月に再生資源を活用した農場「藤ファーム」をオープンしました。
約7,000㎡の敷地には、シイタケの菌床栽培棟4棟、ブドウ栽培用温室、露地栽培のブドウ畑、野菜畑などが並びます。また、敷地の一角では絶滅が危惧されている固有種ニホンイシガメも飼育しています。
菌床シイタケ
2020年11月より、岡山市で初めて農作物栽培高度化施設として認定された「倉庫型ハウス」でシイタケを菌床栽培しています。菌床とは、オガや肥料を混ぜ込み固めたブロック状のものです。
藤ファームでは空調設備を活用し、徹底した温度・湿度管理のもと、最上級のシイタケをつくるため日々奮闘しています。
一つひとつの実を大きく生長させるため、余分なわき芽を取り除く「芽かき」や「見直し」の作業を行い、質のいいシイタケ栽培にこだわっています。また、収穫のタイミングも目をひからせ、見逃しません。全ての工程を、全て手作業で行っています。そんな藤ファームのシイタケは、むっくり肉厚でプリップリッの食感が特徴です。
1度収穫した菌床は休養を与えた後、水に浸けることで再度栽培が可能となります。藤ファームではこの工程を3回繰り返し、1菌床当たり約750gを目安に栽培しています。使い終わった菌床(廃菌床)は、ブドウ栽培や野菜畑の堆肥をつくる材料として活用しています。
ブドウ栽培
屋根型ビニールハウスでシャインマスカットとマスカットジパング、露地栽培でシャインマスカットを生産しています。シャインマスカットは50本、マスカットジパングは12本を定植しています。
マスカットジパングは、岡山県でしか栽培できない、岡山生まれの新しい品種で、とても甘く、シャインマスカットよりもジューシーなのが特徴です。
屋根型ビニールハウスでは、グループ会社の中間処理場「リサイクルセンター」で資源化した再生砕石を埋設して根を囲み、養分・水分を効率的に管理できる根域制限による農法で良質なブドウを栽培しています。
また、ハウスは屋根が高く設計されており、ブドウの葉より上部に溜まる熱を逃す循環に優れています。
野菜畑
地元地域の方と一緒に、春はアスパラガスとジャガイモ、夏はトウモロコシとミニトマト、秋はトウモロコシとさつまいも、冬は白菜を主に栽培しています。畑の土には肥料としてシイタケ栽培で使った菌床を使用しています。
農業を通じて、地元とのつながりを
藤ファームでは農業を通じて、地元地域の方とのつながりを大切にして、将来は近隣農家の方が市場に出荷できない農作物を販売したり、環境学習の場として活用してもらったり、地域交流に活かせる農場を目指していきます。